医療トラウマ
病気や怪我は私たちの体に負担をかけるだけでなく、私たちの心にも大きなストレスを与えます。入院や治療を続ける中で、不安感や不信感そして無力感などが重なり、そこから医療トラウマへつながることがあります。
医療トラウマの要因
- 重度な痛みや症状:手術後や治療中の激しい痛み、もしくは胸の痛みや吐き気などの特定の身体症状が病気の記憶を蘇らせ、トラウマ反応を引き起こすことがあります
- 死への恐怖:生死に関わるような病気や怪我をした場合、治療が成功した後でも、死への恐怖が続くことがあります。
- 医療ミス:誤診や治療ミスが、後に医療従事者や医療システム全体への強い不信感を作り出すことがあります。
医療トラウマの症状
- フラッシュバック・悪夢:過去の医療体験が、まるで今起こっているかのように繰り返し頭の中に蘇ったり、悪夢として現れたりする症状
- 不安や恐怖:病院へ行くことや、医療行為を受けることに対しての強い不安や恐怖
- 回避行動:医療機関へ行くことや医療行為を受けることを避ける行動
- 身体的症状:頭痛、胃痛、動悸などの身体的症状
医療トラウマの治療
- 日記を書く:自分の考えや気持ちを文字に落とすことにより、複雑な感情を整理し、心の状態を客観的に見られるようになります。
- リラクセーション:深呼吸や瞑想、マインドフルネスなどのリラクセーション法は、トラウマからの不安感を和らげるのに効果的です。
- 誰かに話す:医療トラウマからの苦しみを誰かに聞いてもらうことにより、その辛さが軽減されます。
- 心理療法:専門家によるトラウマ治療を受けることで、医療トラウマからいち早く解放されることができます。
近年、心理的トラウマに対する認知度は高まっていますが、医療トラウマはまだまだ知られていません。医療トラウマに悩まされている方は、1人で抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。