メンタルヘルス雑学
もともと哲学や神学などから派生した心理学は、以前は主に社会科学として捉えられていましたが、最近は脳神経学の発展とともに、医学のような生命科学としての側面が強くなってきました。それとともにメンタルヘルスの研究はすごい勢いで進んでおり、新しい発見がどんどん発表されています。この記事では、最近の研究からメンタルヘルスの最新情報をいろいろ紹介したいと思います。
1. 孤独感は脳卒中のリスクを高める
ハーバード大学から今年の6月に発表された研究によると、50歳以上で孤独を感じている人は、孤独を感じていない人に比べて56%脳卒中のリスクが高まるとのことです。
孤独感が精神的に辛いだけでなく、脳への負担が高いというのはなかなか怖いものですね。うさぎが寂しくなると死んでしまうという「うさぎ病」って実は脳卒中だったりするのでしょうか。ちなみにこの「うさぎ病」は都市伝説であって、うさぎは単独になってからといって死んだりしません。
2. 抗精神病薬は肺炎のリスクを高める。
統合失調症の幻覚症状を劇的に抑える抗精神病薬なのですが、なぜか肺炎のリスクを高めてしまうということを、アムステルダム大学のチームが発見しました。だからといって、薬を止めるわけにはいかないので、統合失調症で高容量の抗精神病薬を取っている患者さんは、インフルエンザのワクチンなどはきちんと受けましょうとのことでした。
3. 天井アップで成績アップ
南オーストラリアで行われた、建築学と心理学のコラボ研究によると、体育館のような天井の高い部屋で学力試験を行うと、なぜか平均点数が下がってしまうという研究結果がでました。
部屋の大きさの違いから生じる変化は、温度・音の広がり方・光の加減など、色々あります。なのでこの研究ではその他もろもろの要素を排除するために、VRを使用して天井の高い部屋・低い部屋での学力比較をしたのですが、その結果、学力に影響するのは天井の高さだそうです。